そんなに同居が嫌なら

「我慢する必要はない。出て行けばいい。」

全ての責任を他人に押し付けようとする母に、常々思っていた言葉を吐き出した。
母は、「義父母が出て行けばいい。早く死ねばいい」「長男の嫁になんてなるんじゃなかった。」といった話をする。それこそ二十年間。
それなら長男の嫁云々ではなく、自分が幸せに暮らせる環境を模索するべきだ(だった)。周りの環境に責任転嫁して愚痴っているだけでは、誰も助けてはくれないよ。


どのはっちゃけ男も、仲の悪い同居家族を作りたくて同居をする訳ではない。嫁と母が揉め事を起さない様に、板挟みになりながら常に神経をとがらせている。出来ればお互いに上手くやってくれないかと祈りながら。

最優先すべきは自分たち夫婦の生活だ。その平和を壊してまで同居する必要はない、と私は思う。
私の両親の様に夫婦の形が崩壊した家族や、同居にどうしても納得出来ない核家族には同居を選択する必要はない。しかし、家庭の事情や金銭的メリットで同居を選択したなら、受け入れた責任は選択した夫婦の問題だろう。
その家で同居を続けられる自信が持てないのなら同居を解消するもよし、我慢しながら継続するもよし。同居を解消しても生活ができるのならば、己の見通しの甘さを呪いながら引越しの準備をした方がいい。義親と不毛な対立を続けて、お互い不幸になるよりは賢明な選択だ。

私は妻に同居の同意を得る際に、この点だけは何回も確認した。一度決めたら撤回するのは容易ではない。しかし嫌になったらいつでも中止するから我慢することなく言うように。長男の嫁になったから息苦しい同居をしなくてはならないのではない。それを選択するのはあなた自身だ、と。


間取りの設計がなかなか進まない。ゴミ屋敷を盾に設計を遅らせる母に、思わず冒頭の言葉をぶつけていた。感情的にならないように心がけてはいたが、ダメだったな。
年内には荷物を運び出して、解体までいきたい。そこが最大のヤマ場だ。