住宅設計の要『台所問題ー1』


業者を選定し本格的に設計を進めて二ヶ月半。私たち夫婦家族が暮らす二階部分については、概ね満足できる設計図が完成した。クローゼットは希望より広く確保できたし、子供部屋や客間・ロフトの位置も素晴らしい。贅沢を言えば、二階の風呂も一坪は欲しいかなというくらいだ。
問題は一階の設計だ。母は「設計に最低一年間は掛けなければ家じゃない」と考えているらしく、あの手この手を使って設計期間を延ばそうとする。
曰く「囲炉裏を玄関のホールに造りたい」
曰く「台所は飾り用にアイランドを一つ、実際使う流しを更に一つ造る」
曰く「トイレは絶対3つ必要!」
曰く「廊下は全て土間にしてほしい」

ここまで話が想定外なほど順調に進んだこともあり、私も妻も最初は笑って流してきた。「フフフ、ここまで進められればこちらのものよ。設計担当者に打ちのめされるがよいわ!」ってな感じで。

担当者も母の希望を取り入れようと頑張ってくれたが、元がハチャメチャな要望なのでなかなか話が進まなくなってきた。そこで、担当者と母だけで何回か打ち合わせの時間を設けることにした。
束の間の余裕ができた私たちは、家造りから解放された休日を大いに楽しむことに。この数ヶ月、息子には毎週末退屈な思いをさせてしまっていたので。正直スマンかった。

数週間後。さてさて一階はどうなったかと担当者に話を聞くと、母はLDKの生活イメージが持てないでいるらしい。カウンターキッチンやアイランドキッチンも良く分からずに話しているのではないかと言う。今まで何度も展示場で様々なキッチンを見学してきたが、よく覚えていないらしいのだ。(オイオイ)

とにかく希望の台所スタイルを決めなければ設計も進まないので、キッチンメーカーのショールーム巡りをすることにした。
これには妻も喜び、私たちはウキウキ気分でショールームへと向かった。息子と母は全く乗り気ではなかった。