ゴミ屋敷の片付け

いったい何年分のゴミの山だろう。今までは視界に入っていながら、見てないつもりでやり過ごしてきた。
便利屋にでも依頼して、一切合切処分してもらおうとも考えたが、結局自分で片付けることにした。金銭的な理由も大きいが、ここで精神的に区切りをつけたい気持ちが強かったからだ。

まずは離れの家の入り口からだ。見渡せば、大量の植木鉢に大量の瓶、割れた食器、洗剤など。そして、ビニール袋に入った衣類と壊れた発泡スチロールの山。

これは私の母のケースだけなのかもしれないが、タンスや段ボールに収納することが出来ないという特徴がある。必要だと思った物を、衣類でも書類でもゴミ袋に仕舞い込むのだ。結果的にゴミ袋の山になり、必要な時に探し出すことが難しくなる。検索するにも目印がない(全て同じ色のゴミ袋)ために、下になった袋は開封されることなく眠り続けることになる。更にまずいことに、ゴミをゴミ袋に入れることもある(普通の使い途なのだが…)。その上にまたゴミ袋に入った衣類を乗せたりするのだ。
そして完成した、本人にさえどこに何があるか分からない状態に積み上げられた山が目の前にある。私には、何年も開けらず外に放置してあるゴミ袋が必要だとはどうしても思えない。全て燃えるゴミで処分しようと、母がいない隙を見て片付けを始めた。同居については予定通りに進まなかったが、やっとゴミ屋敷を壊す段まで来たと感慨にふけりながら、五時間ぶっ通しで作業に没頭した。六畳分くらいは地面が見えるようになっただろうか。ゴミ袋は一時的に別の場所に積み上げておこう。ゴミの日に車で収集所まで運ばなきゃな。

瓶に詰まった得体の知れない液体、布の下で蠢く虫たち、これらをやっと取り除ける嬉しさで、手がいくら汚れようと時間が経つのも腹が減るのも忘れて夢中で動いていた。
年明けまでには建物のみにしておかなければ解体に入れない。解体業者は家庭用ゴミの処理は基本的にしないらしいので、費用を抑えるためにも自分で捨てられるものは捨てなければ。