完成間近!しかし…

読み返し、思い出すだけで憂うつになるわ。自分の日記ながら忌々しい。

それはさておき、こんな感じで片付けが進まないまま、母の新しい住処である車庫にはゴミが再び積み上げられていった。これは決して比喩ではなく、本当にどこからか湧いてきた様々なモノが増えていくのだ。
泣かせてしまった数日後に再度話し合いをしようとしたら、警察を呼ばれた。家族のいざこざには不介入を貫くおまわりさんも、しまいには「お母さん、あんた少しは人の話しを聞きなさい!」と言い残し呆れて帰っていった。
「ふん、オマワリなんて何の役にも立ちゃしないわ!」と吐き捨て、ゴミの巣に帰っていく母の目は血走っていた。普通の精神状態ではない。

結局、俺の人生はゴミの山から一生解放されないのか。と諦めかけたが、今回ばかりは気合を入れた大掃除とは訳が違う。解体から建て直しの間にモノを処分する、一生のうちに二度とない機会なのだ。今後何十年と新居を綺麗に保つためにも、こんなところでゴミに屈してはいられない。とにかく捨てられるモノから実力行使でガンガン捨ててやろう。

などと意気込んでいたら、工務店から連絡が入った。
「予定より早めに完成しそうです。引き渡しや引越しの日程をそろそろ詰めましょう」

え!もう?同居の話も宙ぶらりんなのに…

不孝の上塗り -ゴミ屋敷と暴力- 3

こちらを見て怯えているようだ
見たことのない表情だ
何かを喚き始めた
錯乱している
様子がおかしい
泣きだした
子どもの泣き方だ
「もうやだよー!いやだよー!」
ゴミをかき集め、うずくまった
わんわんと泣いている

ハッと我に返る
この異常な光景はなんだ
なんでこうなった
頭が回らない

不孝の上塗り -ゴミ屋敷と暴力- 2

天童荒太の「静人日記」にゴミ屋敷で孤独死した老女が登場する。

人々の記憶に残っている時点ですでに、彼女は独り暮らしで、親の遺産でもあったのか、仕事もせずに家にこもり、やがてゴミを溜めはじめた。近所付き合いはせず、ゴミの苦情にも耳を貸さない。こちらが善意で片づけようとすると、汚物のようなものを投げつけてくる。迷惑は毎日感じていたが、感謝する者は一人もいなかったとのことだった。

とは自治会長の言葉で悼みの描写こそなかったが、静人に悼まれたであろう老女はまだ幸せだったと思う。
ただ、近所のゴミ屋敷が迷惑だから自治会が善意で片づけようとする辺りは、苦笑いを浮かべずには読めなかったがね。


さてと。私が母に暴力で迫った理由はシンプルだ。会話が成立しない。この一点に尽きる。
片付けをする、ゴミを捨てる、同居する、それ以前の話だ。

論理的な話の組立が理解出来ないのだ。町内のゴミ屋敷の老女ならいいだろう。諦めて関わらなければいい話だ。孤独死しようが知ったことではない。自治会としてやるべきことはやったと自分を説得できるだろう。
だが、コトは自分の母親だ。世間体はもちろん、このままに出来ない責任もある。

とはいえ、何も暴力の言い訳にはならない。日本語が母親に通じないと頭に血が上った私は、母親を突き飛ばしゴミの上に転がした。

このときから、家族に手を上げることがタブーではなくなった。後悔してもしきれない。暴力は連鎖する。

不孝の上塗り -ゴミ屋敷と暴力- 1

八月の頭頃だっただろうか。母親を泣かせてしまったことがあった。
今でもあの光景は信じられない。悪い夢だったことにしようと、脳が記憶の再生を拒否しているようだ。


妻を里帰りさせ連休を取った私は、今度こそゴミを整理してやると朝から意気込んでいた。正直、家族サービスと母親のゴミ屋敷片付けの両立は厳しい。限られた休みの時間を片付けに費やしすぎると、必ず妻からクレームが出る。
「お義母さんばっかり話してないで、こっちの相手もしてよ。つまんなーい。どこも行けない」

「・・・。σ(^_^;)」
そんなこんなでなかなか本腰を入れて片付けに専念出来なかったのだが、帰省中の今こそゴミ屋敷片付けの最大のチャンスだ。
いま振り返ると、意気込んでいたというより、馬がパドックで「入れ込んでいる」状態に近かった。
自分の希望が最善の選択で、母にとっても良いことに違いないと思い込んでいた。相手の意見を受け付けるつもりなど毛頭ない。ただ限られた時間の中で、どういう手順で目的を遂行するかしか考えていなかった。

六月から七月の間、新しいゴミ屋敷に住みついた母に、新居で一緒に暮らそうと時間をかけて説得してきた。関係も徐々に回復し、新居が建つ前に一度片付けることの必要性は解ってもらえた様だった。
母は常々片付けを一方的にされるのは嫌だと言っていた。それなら二人で作業しようと、朝から片付けを始めた。帰省している妻子の近況なんかを、冗談も交え話しながら作業していた。

決して悪いムードではなかった。

さて、ここからが本題

結構ブログを放置してたので、状況や出来事の整理もしたいところだ。日記なので。
まぁ、それは余裕のある時に。

もうすぐ新居の工事も終わる。引越しなどでバタバタしそうだ。
とりあえず家族内では、「同居は無理!」という結論に達した。悲しいが双方を説得出来なかった私の力不足だ。

この状況は最悪のケースとして想定していた。
そして、ここからが本題。家族の声に全く耳を傾けなくなった母に、外部の力を借りて性格改善や新ゴミ屋敷の片付けを働きかけていくつもりだ。

どのアプローチが効果があるのか、日記としてサボらずに記していく。(ハズ)

市の保健師による相談。遠方に住む母の兄姉妹による説得。嫁いだ娘の説得。心療内科。便利屋。出張カウンセラー etc…。

暴力に訴えることだけはしないと誓う。

正直

ここの所、ゴミ屋敷に手を出したら母に警察を呼ばれたり、わーんわーんと子供返りした様に泣き喚くしで、町内の注目を集め続ける我が家です。
「妻を第一に考えている」と進めてきたが、ここらで正直な気持ちを整理してみようと思う。ストレスが溜まったらたまには本音も吐かないとな。

最も優先すべきは、家族の再生。情操教育や経済的なメリットなど建前は色々作ったけど、今回の目的はその一点。
三世帯の同居で理想の家族を作ろうとすれば、障害は母の存在のみだ。彼女の夢だった新居への建て替えを通じて、真っ当な人間に生まれ変わって欲しい。孫に囲まれた豊かな生活を穏やかに送ってもらいたい。ついでに新居も綺麗に保ってもらえれば尚いい。
借金なんていくら抱えてもいいよ。餅投げがしたい?夢だったんならやらなきゃ。最高級のオプションで揃えた風呂?トイレを三つ?キッチンも好きに選べばいい。壁紙が嫌なら、職人の塗り壁にしよう。グラスウールは嫌だ?ハウスメーカーは嫌だ?いいよ。好きな会社で好きな断熱材を使えばいい。檜のフローリング?いいんじゃない。最近、機嫌良くて俺も嬉しいよ。

と振り返ってみると、妻を最優先にしていたわけではないな、どう考えても。自分の夢の実現のために建前を並べていただけだ。新居をエサに同居を強引に納得させたと言える。
もちろん、妻にも同居をして良かったと思ってもらいたいので、同居している方の不満を参考に地雷を踏まないようにしてきたつもりだ。思い返すとその程度の配慮しかしていなかった。

私個人の考えでは、「家族の再生」=「母に機嫌良く暮らしてもらう」
もっと突き詰めれば、母「と」仲良く暮らしたい。て感じかな。


それだけを目指してきたはずなのにな。どうやら私が母親を追い出すことになりそうだ。もう感情に任せて怒鳴る気力も、手を上げたくなる程の怒りも失せた。
あ、ゴミ屋敷を整理する気力も。

片付けられない女になるための7つの資質

私の母の性格の、人をイラつかせる特徴です。異論は認めます。

・身なりに気を使わない
【常に犬、猫臭い。ボロ切れの様なシャツでも靴でも平気で身に付けて外出をする。娘の中学時代のジャージも平気で着用。いや、むしろお気に入り】


・話が飛躍する
【何かを否定されると、「外で寝ろってことか!」「もう私には死ねってことか!」などと数回の会話で極論が出てくる】


・空気が読めない
【周りの全員が、早く話を進めろとプレッシャーを与える空気を充満させているにもかかわらず、マイペースでマシンガントーク。寒いギャグを挟んだりして更に周りをイラつかせる】


・相手の話を聞かない
【何度も同じ質問をして答えを要求する。小学生でも分かることを執拗に質問する。相手が答え始めると右から左へ聞き流す】


・切り替えが早い
【激しい口論でも、翌朝になるとケロッと態度が通常時に戻る。脳みその許容量によるものか。上手く利用できれば良い点にもなるが、相手してる方は怒りのやり場がなくなりモヤモヤすることに】


・雑食
【腹が減れば平気でドッグフードでも食す(実話)。何日前の残り物でも消化する強靭な胃袋を持つ】


・計画性が皆無
【スーパーで大量に買い過ぎて腐らせるのは基本。腐ったものを放置して、また同じものを同じ量買う。結果、台所は発酵した牛乳パックで埋め尽くされる】

まだまだありますが、気分が悪くなってきたのでやめます。